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バイトがあって今がある BLUE ENCOUNT (Vo./G.) 田邊 駿一さん

2015年8月31日 公開

知らない間に頑張りを認めてくれる人がいるのも、
バイトのうれしさですよね。

BLUE ENCOUNT(Vo./G.)田邊 駿一さん
昨年9月にメジャーデビューを果たし、アニメ「銀魂°」のオープニングに楽曲が採用されるなど、勢いに乗るロックバンドBLUE ENCOUNT。そのギター兼ボーカルを担当し、ライブでの熱いトークでも多くのファンを持つ田邊駿一さんに話を聞いた。

初バイトでの店長の
言葉を心に刻んで

力強いサウンドや飾らない生の心を歌い上げる歌詞、大胆かつ繊細なパフォーマンスで人気急上昇中のロックバンド「ブルーエンカウント」。ギター兼ボーカル、さらに作詞作曲を担当するのが田邊駿一さんだ。取材時、笑顔で登場すると取材陣にペコッと一礼し、「よろしくお願いします!僕、バイトは随分やってきましたからいろんな話が出来ると思いますよ」と、明るくよく通る声で場を和ませてくれた。
熊本育ちの田邊さんが最初に経験したアルバイトは、高校1年生の時で、知り合いが経営する近所のコンビニ。「あいさつがすっげえ大事だって思ってたもんだから…。初日、店長にも同じシフトの人にも『タナベです、高1です、近所に住んでます!』に始まる自己紹介をずっとしていたら、そのうちに『もういい、もういいから! 田邊くん、仕事して!』ってさえぎられちゃった(笑)。出来たてのアツアツ弁当に専用機械でラップをかけて売るんですけど、その時の火傷がほら! 初めてのバイトでの勲章ですね」と話しながらジャケットの袖口をぐっと引き下ろすと、手首にうっすらと残る火傷の跡を見せてくれた。「そこの店長がいい人でね…。中小工場が多い地域で昼時はものすごい忙しさなんですよ。レジで、キツい言葉でせかされたりお金を投げていくお客さんもいたりでショックを受けてたんですけど、その時に店長が『人のためにやったことは、いずれ自分に返ってくる。君のお給料はその人が払ってくれたお金なんだよ』って言ってくれて。うん、今も心に残っている言葉ですね」

かつてのバイト先で
自分の看板を見た感激

その後、上京し、本格的に音楽活動をスタートした田邊さん。レンタルビデオ店のアルバイトでは「見たいDVDのタイトル名が分からないお客さんが、作品内容を説明する時に、俳優名を言う時のテンションでタイトル名を当てられる」という特技を生かして大活躍したそうで、『トム・クルーズ』という一言をさまざまな声色を使い分けて実演してくれ、取材陣一同大爆笑する一幕も。アルバイト中は店内でガンガンに流れる他のアーティストの曲を悔しい思いで聞いたこともあったそうだが「あきらめんで追いかけたからこそ、夢が叶ったって思うんですよ」
先日、新曲『DAY×DAY』のプロモーションでそのレンタルビデオ店を訪れ、入り口に自分が写った大きな看板を見た時には、思わず感激で胸が詰まり、サインと共に「元・店員です!」と書き込んで来たそうだ。
「店に出てると『あなたが今日入っててくれて良かった』って声をかけてくれるお客さんもいて…。知らない間に頑張りを認めてくれる人がいるっていうのも、バイトのうれしさですよね」

素をさらけ出すことを
恐れずにぶつかって!

また、田邊さんが〝印象に残ったアルバイト〟として挙げてくれたのが、ヒーローショーでのエスコート役。「楽屋からステージまで〝レッド(ヒーロー)〟を連れて行く、要はボディガードですね。このレッドも〝中の人〟は俳優志望の若者なわけです。これがまた何ともネガティブなヤツで…。『俺は一生このステージで終わるんだ』って楽屋で延々とグチるんです。それを僕が慰めるという、ね。『お前はここで終わらねぇ、いつかはそのマスクを脱げるよ』って」
当時、田邊さん自身もライブの動員数は伸びずCDも売れず。精神的にボロボロだったが、〝人を慰める〟という行為を通じて、逆に「自分の心にはまだこんなに余裕が残っていたんだ」と思えるようになったと振り返る。〝レッド〟との交流はその後も続き、「僕らが夢を見る姿に共感してくれてるんです。彼も頑張ってますよ。この前も『映画のエキストラ決まりました!』ってメール来ましたしね」とうれしそうに話してくれた。
最後に、田邊さんにアルキタ世代へのメッセージを聞いてみた。
「インディーズ2枚目のCDを出した時にね、全然売れなくて『もうダメだ。終わりにしよう』ってメンバーと話してたんですよ。その後に予定していたツアーを最後のツアーにしようって。もういいじゃん、全公演嫌われる勢いで好きな風にしようよって。これまでのカッコ付けてた部分を全部かなぐり捨てて、まんま、素で臨んだツアーだったんです。そうしたら、一発目の豊橋公演でお客さんは40人しかいなかったのに40人全員がCDを買ってくれて。明らかにそれまでとは違う反応だったんです。この日を境に生まれたのが今のブルエン。みんなも素を出すことを恐れないでほしい。素を出すって、怖いよね。嫌われるんじゃないかってどうしても考えちゃう。素を出すことで『なんだアイツ』って言われることももちろんあるけど、それ以上に付いてきてくれる人、好きになってくれる人がたくさんいるはず。今にして思えば、バイトでも全く同じなんだよね。うまくやろうって考え過ぎてた時期の人間関係はむしろ大変で、同僚や後輩たちが頼ってくれるようになっていた時期は言いたいこと言ってた時期と重なってた。みんなも素を出すことを恐れないでほしいって思います」

★田邊駿一さんの思い出バイト★

コンビニ
人生初バイト!「困ったお客さんもいたけど(笑)。コミュニケーションの楽しさ、ありがとうと言ってもらううれしさを学びました」
ヒーローショーのボディガード
今の子どもたちって攻撃的で、蹴っ飛ばしたりしてきて大変!〝レッド〟なんだから自分の身ぐらい自分で守れって話ですよ(笑)。
タピオカドリンクのスタンド
常連客から「メガネさん」と呼ばれ親しまれました。「新店を任せるので、うちの会社に来て」とヘッドハンティングされたことも。

<プロフィール>
田邊 駿一 (BLUE ENCOUNT)

田邊駿一(Vo./G.)、江口雄也(G)、辻村勇太(B)、高村佳秀(Dr)の4人からなるロックバンド。2004年に田邊、江口、高村が地元・熊本でバンドを結成し、2009年に3人の進学先である都内の音楽専門学校で辻村と出会い現体制となる。昨年9月にキューンミュージックより「TIMELESS ROOKIE」でメジャーデビュー。

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