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バイトがあって今がある BRAHMAN (Vo.)TOSHI-LOWさん

2015年10月26日 公開

ツライことは先にやったほうがいい。
近道は絶対無い。

BRAHMAN(Vo.)TOSHI-LOWさん
今年、結成20周年を迎えたBRAHMANのボーカル・TOSHI-LOWさん。バンド活動はもちろん、被災地支援に積極的に取り組むアーティストとしてもその言動は注目を集めている。“あの人がいなければ今の自分は無い”というバイトでの出会いを熱く語ってくれた。

出来れば〝プロのヒモ〟に
なりたいんです(笑)

インタビューが行われるFM局の控室を訪ねると、写真や映像で見た通りの鋭い眼光を放つTOSHI-LOWさんが、そこにいた。結成から20年もの長きにわたり、BRAHMANを牽引してきたというのも頷ける強靭なオーラが静かに伝わってくる。思わず背筋を正し、アルバイトの取材であると伝えると、一転柔らかな顔つきになり「ホントは働くの嫌いなんです」と一言。続けて「出来ればヒモになりたくてね。プロのヒモ(笑)」と、本気とも冗談とも取れるセリフで場を和ませてくれた。改めてバイト経験について尋ねると、実家の手伝いが最初との答え。両親が食品加工業を営んでおり、出荷用の箱作りを手伝ったそう。
「冷凍のほうれん草なんかを作る工場で、今は角を持ってパコってやると底が出来るダンボールなんですけど、当時はデカいホッチキスみたいのでガチャンガチャン…って止めなきゃいけなかった。箱を作ると1個1円って、お小遣いがもらえて。幼稚園ぐらいかな?アルバイトの原体験です」
5歳から水泳を始め、一時は関東大会に出場するほどの実力だったTOSHI-LOWさん。現在もキックボクシングに携わるなど、ロック界きっての肉体派として知られる。高校時代はその体力を生かして建設現場やコンサートスタッフのアルバイトをしていたそう。
「ただ、それほど金を稼がなきゃって感じでもなくて。先輩と一緒にいると金が無くても遊べたんですよ。『どうせ(お金)無いんだろう?』なんておごってもらえたり。バイトしないか?って頼まれればやったけど、積極的じゃなかった。だから、必要に迫られてバイトをするのって大学行ってからですね」

今も師と仰ぐ社長と
バイト先での出会い

地元の茨城から東京の大学に進学。夜間部に通っていたというTOSHI-LOWさんがデビュー後もバイトを続けていたというのが宅配弁当の店。当時は金髪で眉毛もナシ。誰もがその姿に顔をしかめるなか、面接で唯一容姿を問わなかったのがその店の社長だったそう。採用されたのはプロレスのお陰と話す。
「その社長さんはプロレスが好きで、面接の時もプロレス雑誌を見てたんです。オレも子どものころから好きだったから、『橋本(注:プロレスラーの名前)勝ちましたか?』みたいなことを言ったんです。そしたら『お前、プロレス分かんのか?』『はい』『じゃあ明日から来い』ってカンジで採用(笑)」
しかし、働き始めた当初は意欲も無く、仕事には極めて不真面目。雨が降ったら遅刻する。ウソをついて休む。全く真剣に働いていなかったそう。ところがある事件をきっかけに、考え方を大きく変える。
それはバイトを始めて一月ほど経った時のこと。街中でのちょっとしたトラブルから喧嘩になり、警察の世話になったというTOSHI-LOWさん。当時、周りには頼れる大人は無く、迎えに来る人もいない。一晩、警察署で過ごすことを覚悟した夜中の3時ころ、不意に「迎えが来たから帰れ」と警察に指示される。現れたのは弁当屋の社長だった。
「そのころはイキがっていたから『絶対ビッグになってこの恩を返します!』なんて言ったんです。そしたら『そんなことはどうでもいい』と一喝されて。『ビッグになる前にやることがあるだろう』って。その時が初めてです…人に頭を下げてカバンを持たせてもらったのは」
現在は男気あふれるキャラクターで、その発言が多くの人に影響を与えるTOSHI-LOWさん。しかし20歳前後のそのころは「チャラいだけ。責任感も何もナシ」と自らを省みる。その後もトラブルが無かったわけではなく、喧嘩の末、足を引きずりながらバイトへ行ったことも一度や二度ではないという。しかし、バイトを休むことは二度と無かった。
「働くのは好きじゃなかったけど、この人のためにバイトへ行こうって気持ちになったんです」
社長の懐の深さや筋の通った考えに大きく影響を受け、BRAHMANの初期の楽曲はその言葉に触発されたものも多いという。
「他のメンバーも金無かったですから。ライブがあると社長が弁当を差し入れしてくれるんです。みんなそれを楽しみにしてて」

限界より少し無理すると
後がラクだよね

この出会いが無ければ今の自分は無いとまで言うTOSHI-LOWさん。
「1stアルバムが出る直前までその店で働きましたけど、金のためじゃなかった。口先だけじゃない強さと優しさに惹かれてたんです。出来ればずっとバイトを続けていたかったくらい。あれから20年くらい経つけど、多くの言葉が体に刻み込まれています」
アルキタ読者の若者へコメントを求めると、働くことが嫌いな自分に伝えられることは無いと苦笑い。でも、ツライことは先にやったほうが良い、と話してくれた。
「自分はとにかくラクをしたいタイプだから、ツライことは先に片付ける。後に残すとホントにツライから。自分が出来る限界よりちょっと無理しておくと、後がラクだよね」
重みのある言葉に深く納得していると「もうひとつ」とTOSHI-LOWさん。
「人生に遠回りはあっても、近道は絶対無い。これも社長に言われた言葉」

★TOSHI-LOWさんの思い出バイト★

ダンボール箱作り
実家の工場で作った商品を入れる箱を組み立ててました。幼稚園くらいだと思うけど即戦力だよね(笑)。
宅配弁当の店
最初は配達だったけど、そのうち調理もするようになって。社長に言われて調理師免許も取ったんです。
プールの監視員
大学入って最初にやったバイト。でもオレ、注意するよりされるタイプだから。長く続かなかったね。

<プロフィール>
BRAHMAN

1995年に結成したハードコアバンド。2011年の震災以降は、ボーカル・TOSHI-LOWを中心に音楽活動の枠を超えた被災地支援に取り組み、その活動が多くの人の注目を集める。今年、結成20周年を迎え、記念アルバム「尽未来際」をリリース。さらに箭内道彦監督による映画「ブラフマン」も公開された。

<インフォメーション>

●最新リリース情報
20th Anniversary Album「尽未来際」
初回限定盤A :〈20th Anniversary Edition〉
プレミアムBOX+2CD+2DVD+写真集+DEMO TAPE
TFCC-86528 12,000円(税込)
初回限定盤B:2CD+2DVD TFCC-86529 4,500円 (税込)
通常盤:2CD TFCC-86530 3,000円(税込)

●ライブ情報
20周年ツアー「尽未来際〜畏友〜」
10/30(金)SAPPORO FACTORY HALL
時間/18:00 OPEN 19:00 START
チケット/前売 3,500円(税込)
INFO/SMASH EAST TEL 011-261-5569
●オフィシャルサイト
http://www.brahman-tc.com/

バイトがあって今がある

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