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バイトがあって今がある 林和希さん

2023年6月26日 公開

怒ってくれる人のほうが後々、仲良くなれるよ。

DOBERMAN INFINITYのボーカル・KAZUKIが、この5月に林和希としてソロ活動をスタート。正統派R&Bをつややかに歌い上げる彼に、音楽の歩みのみならず、アルバイトで得た経験もインタビューした。

たこ焼きの味は、「焼き手」で変わる!

林さんの出身は岐阜県。音楽好きの両親が自宅で流すブラックミュージックに触れて育ち、幼いころから海外アーティストの楽曲をつたないながら英語で歌っていたと振り返る。
「中学時代にカラオケがブームになり、友人たちと連れ立って歌を楽しんでいたんですよね。みんなが『カズキ、歌うまいじゃん』って褒めてくれるものだから、俺には音楽の道もあるのかな…と、ぼんやりと意識するようになりました」
とはいえ、林さんの地元にはボーカルスクールもなければ、先進の音楽に触れる場もなかった。芸能人やアーティストは、雲の上の存在。当初は自身が歌手になるとは夢にも思わず、音楽関連の仕事で生きていきたいと考える程度だったという。
「初めてバイトをしたのは高校時代。まだ歌手の道を本気で目指していたわけではなかったから、きっかけは完全に遊ぶため(笑)。実はいとこがたこ焼き屋の路面店を経営していたので手伝わせてもらったんです」
たこ焼きは同じ材料を使っても、焼き手によって味わいに大きな差がつくのだとか。林さんも努力したものの、「やっぱり、いとこのレベルには達しなかったです」と笑う。
「お客さんによっては焼き手を指名したり、上手な人がシフトに入っている曜日を狙って来店したりすることもあるくらい焼き方が重要なんです。高校時代はずっとたこ焼きのバイトを続けました」
林さんは18歳のころ、将来の進路について本気で考えを巡らせた。あれこれと仕事を思い浮かべるものの、どれもピンとこなかったという。自分の胸に「お前が本当に好きなことは何だ」と問いかけたところ、出てきた答えは音楽と歌。この道で生きていくと心に決め、東京にある音楽系専門学校に進んだ。

驚くほど大きな木材を担ぐバイト!?

林さんは専門学校時代も多くのバイトを経験した。午前は学校に通い、夜は居酒屋やバーテンダー、日焼けサロンのスタッフとして働いたという。
「日焼けサロンのスタッフって、何をするかイメージがつかなくないですか(笑)?実は、華々しい仕事ではなく清掃がメイン。お客さんが使った日焼けマシーンの中を隅々まで奇麗にしてタオル類を洗濯するなど、どちらかといえば泥臭くて大変なんです」
日焼けサロンもバーも、来店するのは多種多様な人々。東京の華やかな世界に生きる人とも数多く接することができ、専門学校に通っているだけでは決して得られなかった経験を積むことができたと語る。
「俺はまだまだ世間知らずのガキだったから、時にはお客さんと衝突したり、説教をされたりしたこともあります。でも、いつか見返してやるってモチベーションにもなったかな」
専門学校卒業後、林さんは歌手になる夢をつかみ取るべく、バイトと「EXPG STUDIO(LDHが展開するスクール)」のレッスンに励んだ。
「俺が選んだのは建築系のバイト。班によって作業は違いますが、木造住宅を建てるのがメインでした。この仕事はハッキリいってメチャクチャ大変。人間がこんなにデカイ木材を持てるんだって驚くと思いますよ」
林さんは朝早くから建築現場に出掛け、トラックで運ばれてきた梁や柱といった住宅の骨組みを担いで組み立てていった。バイトが終わった後は作業着のままレッスンへ。時には寝る間を惜しんで仲間とも遊んでいたと笑う。
「当時は誰にも負けない、歌手の夢をつかみ取るって燃えたぎってましたからね。今となっては絶対にできないハードスケジュールです(笑)」

筋骨隆々の先輩方は、男があこがれる男たち!

建築系バイトの先輩方は筋骨隆々の大男ばかり。時には危険が伴うため、口調は厳し目だったという。
「初日で辞めたくなるくらい、コテンパンにしごかれましたよ。でも、頑張ってデカイ木材を持てるようになり、少しずつ技術が高まっていくにつれ、先輩方はどんどん俺のことを認めてくれて、優しくなっていくんですよね」
ある時、林さんは現場で熱中症になって倒れてしまったとか。作業するのは自身を含めて二人だけ。本来は仕事が回らないはずだ。
「でも、先輩は決して我慢を強要せず、『後は全部やるから、お前はスポーツドリンクでも飲んで休んでろ』と。で、信じられないスピードで仕事を片付けちゃったんです。こんな風に、男があこがれる男ばかりの職場でしたよ」
林さんは、2年後にはオーディションに合格し、見事に夢をつかんだ。建築系バイトの先輩方にも「歌手になりたい」と伝えており、デビューが決まった時には一緒に喜んでくれたそう。
「今の時代ではなかなか難しい部分もあるけれど、怒られる経験って大事だと思います。社会に出てからのほうがつらいことも多いから、忍耐力をつけておいたほうが良いですしね。あと、怒ってくれる人ほど、後々仲良くなれるのは間違いないです」
この5月、林さんは上京した時から胸に秘めていたシンガーとしてのデビューも果たした。最後に新譜のポイントを尋ねた。
「音楽は心を救ってくれる素晴らしいもの。バイトでしんどい時、嫌なことがあった時、孤独を感じた時、あたたかな気持ちになれるような楽曲を作りました。流行りやトレンドではなく、色あせない音楽として人の心に残り続けるアルバムになってほしいですね」

林和希さんの思い出バイト

たこ焼き屋
自分の初バイトがコレ。路面店でたこ焼きを焼いていました。味の決め手は、何を置いても「焼き方」!
日焼けサロン
清掃メインの地道な仕事です。好きなアーティストが来店した時はテンションが上がりました。
建築現場
先輩方は口調が厳しいけど、根は優しくて、今でも自分の活動をチェックしてくれています。

プロフィール

林和希
2014年、DOBERMAN INFINITYのKAZUKIとしてデビュー。唯一のヴォーカルとしてグループの多くの作品でサビを担当。トラック制作から作詞作曲までを1人で完結できる唯一のメンバー。コロナによってLIVEの中止を余儀なくされ、一人自宅で「歌ってみた動画」を撮影し、YouTube配信するなど、自身の考え得ることで活動。この期間に、ソロを期待する声は日に日に高まり、2023年5月31日に“林 和希”ソロアルバムで活動を開始。
オフィシャルサイト:
https://m.ldh-m.jp/artist/index/77

インフォメーション

●最新リリース情報
1st ALBUM
「I」

既にLIVEでは披露している「Wow」「One Day」の2曲に加え、新曲も収録。全曲作詞作曲で挑戦した、林和希という1人の人間を形成する全てが詰め込まれたデビューアルバム。
■初回生産限定盤(CD+DVD)/XNLD-10183/A 3,850円(税込)
■通常盤(CD)/XNLD-10184 2,750円(税込)

バイトがあって今がある

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