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バイトがあって今がある DIR EN GREY(G.)Dieさん

2016年8月1日 公開

与えられた立場で頑張ってると、
得られるモノがあると思うよ。

DIR EN GREY(G.)Dieさん
今や日本だけにとどまらず、海外でも絶大な人気を誇る5人組ロック・バンド「DIR EN GREY(ディル・アン・グレイ)」。ギターのDieさんが苦労も多かったというアルバイト経験を語ってくれた。

失敗作の餃子も、裏返せば分からない!?

上下を黒で決めたクールなファッションと明るい色のロングヘア、そして大ぶりのサングラス。ロックミュージシャンの鋭いオーラが伝わってくるスタイルで登場した「DIR EN GREY」のDieさん。思わず圧倒されそうになったが、「バイトの取材なんだってね。ヨロシク」と気さくに言葉を掛けてくれたおかげで、場の空気が一気にほぐれた。
Dieさんが初めて自分でお金を稼いだのは中学卒業後。高校入学までの休みの間に中華料理店で働き始めたという。「仲の良い友だちの一人に、何でも俺を誘うヤツがいるんですよ。自分の興味があることを強制してくるみたいな(笑)。で、せっかく時間が余ってるからと、バイトを一緒にやってみようって流れになったワケ」
厨房のスタッフとして採用されたDieさんだが、バイトも料理を作るのも人生で初めて。職場では研修もなくぶっつけ本番だったことから、最初は餃子を包むのもままならず、「具を入れ過ぎて小籠包みたいに仕上がった」と苦笑する。
「でも、失敗作を端によけといたら、店長が焼けって言うんですよね。“裏返したら分からないから”と。イヤイヤ、見りゃ分かるだろうってツッコミたくなったよ。そのクセ、俺が茹でたラーメンの麺は“まだ固い!”と突き返されたり…。教え方も雑だし、今考えるとメチャクチャだったね」
社会の理不尽さも学んだほろ苦いバイトデビュー。数週間ビッシリ働いて手にした給料は、小遣いの足しにした程度で、何に使ったかは覚えていないと振り返る。

ライブに駆け付けてくれる、かつてのバイト仲間。

高校に入学したDieさんは友人の誘いからバンドを組み、ギターと出合った。初めて弦を弾く感覚に、全身を駆け抜けていく衝撃。「コレだったら他の人に勝てる。俺はギターで生きていくんだ。そんな根拠のない自信が湧き上がってきたんだよね」と表情を引き締める。以来、音楽活動にのめり込み、高校卒業後は地元の三重を飛び出して、大阪でバンドを組むことになった。
「生活のためにも登録制の派遣会社でバイトを始めたんだけど、金髪でロン毛だったから働ける場所が限られていて。髪型が自由な現場仕事に派遣されることが多かったね。ライブや練習以外は肉体労働でビッシリって感じだったなぁ」
Dieさんが大阪でバイトを始めた時期は、阪神淡路大震災に見舞われた少し後。引っ越し作業やイベント会場の設営の他、倒壊した建物のガレキを撤去するなど危険を伴う仕事も多かった。
「崩れてしまったデパートなんかは、もともと床があったフロアに大きな穴が開いて吹き抜けみたいになってたんですよ。被害の大きさを痛感するとともに…こんな危ない場所で作業するのは時給千円じゃ割に合わない、って思ったよ(笑)」
とはいえ、自身でも「こう見えて仕事に対してはメチャクチャ真面目」と笑うように、Dieさんの働きぶりは上司に評価されてリーダーに昇格。周囲のスタッフとも絆が深まっていき、重い資材をいくつ持てるか競い合うなど、職場の雰囲気は和やかだった。今でも当時のバイト仲間とは連絡を取り合っていて、大阪でライブを開催する時は駆け付けてくれるそうだ。
「俺たちのライブは昔のバイト仲間が集まるきっかけ。“Dieが帰ってきた時に皆で会えるのはうれしい”なんて言われると、照れくさいけどコッチもうれしいもんだよね」

コンタクトレンズより、食べ物が優先!

1997年、Dieさんはメンバーとともに「DIR EN GREY」を結成。バンドの人気が徐々に高まっていくことは喜ばしい反面、音楽活動の忙しさからバイトに入れる日が減っていき、収入が得られないというジレンマも抱えるようになった。
「ある日、ライブで盛り上がったお客さんの拳が目に当たって、片方のコンタクトレンズがすっ飛んじゃって。だけど、新しく買う位の金があるなら、まずは食べ物を確保しなきゃってほど極貧だったんだよね。しばらくは片目だけ見えない状態でライブに立ったり、バイトをしたり(笑)」
どんなに体力的につらい肉体労働が続いても、食べ物に困るくらいの貧しさでも、決してへこたれることはなかったDieさん。プロになりたいという強い思いが自身を突き動かしていたのだ。そんな努力が実を結び、「DIR EN GREY」は始動からわずか半年で東京行きが決まった。そしてインディーズから念願のメジャーデビューを果たし、今や世界を舞台に最前線で活躍している。
「俺の場合はバイトってギリギリの生活を支えてくれただけじゃなく、仲間と一緒にしんどい思いをしたり、汗を流して働いたり、そんな経験が友情を生んでくれたかな。仕事にはイヤなことも、怒られることもあるけれど、逃げずに与えられた立場で頑張っていると得られるモノがあると思う。だから…勝手にバイトをバックレるのは人としてダメ! 俺、リーダーだったから、そんなスタッフに困らされたんだよ(笑)」

★Dieさんさんの思い出バイト★

中華料理店の厨房
餃子が必ずといって良いほど注文される名物だったから、お客さんが席に着く前にはすでに焼き始めていたね(笑)。
コンサートの設営
機材運びから駐車場の誘導、撤収まで一日掛かりの仕事。梅沢富美男さんのコンサートでご本人をチラ見したのが思い出。
工事現場
昔はビジュアル系のバンドに入ってたのに、バイトで日焼けしたり、ガタイが良くなったり、真逆の方向に進んでたね(笑)。

<プロフィール>
DIR EN GREY

京(Vo.)、薫(G.)、Die(G.)、Toshiya(B.)、Shinya(Dr.)が1997年に結成した5人組バンド。日本のみならず海外でも大ブレイク中。2002年にアジアツアーを成功させたのを機に、アメリカ、ヨーロッパ各国にも進出し、熱狂的なファンを多数獲得。2000年代後半からは海外でもアルバムを発表。ヨーロッパや北米、中南米などで海外ツアーも行う。

バイトがあって今がある

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