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バイトがあって今がある シンガーソングライター chayさん

2017年6月26日 公開

バイト代で手にしたギターを必死でかき鳴らした
あのころが、今の私を形づくりました。

シンガーソングライター chayさん
取材協力/musica hall cafe(札幌市中央区南3条西6丁目10-3 長栄ビル3F)
ワンピースとハイヒールという女の子らしいスタイルでギターを弾き、歌う、シンガーソングライターのchay(チャイ)さん。彼女のアルバイト経験からは愛らしさとは裏腹の「芯の強さ」がうかがえた。

小学生にして、すでにピアノで作曲!

「私、北海道が大好きなんです! 最近だと年末年始にかけて函館に旅行して、おいしい海鮮料理をたっぷり楽しみました」
インタビューの席に着くやいなや、弾けるような笑顔で「北海道LOVE」ぶりを伝えてくれたchayさん。取材時はトレードマークともいえるワンピース姿ではなかったものの、花柄のトップスにデニム生地のガウチョパンツを合わせたファッションも、キュートなルックスに実にお似合いだ。
chayさんは、物心が付いた時にはすでに歌うことが大好きだった。幼稚園の合唱では、「誰よりも大きな声を出していたと思います」と笑う。両親も音楽が好きで、自宅でよく流れていたのが1980年代の洋楽。chayさんもその影響を自然と受けるようになったという。
「小さなころにシンディ・ローパーのミュージックビデオを見て、何て楽しそうに歌う人なんだろうと衝撃を受けました。映像もとにかくカラフルでポップ。私もこんな風に人の心を弾ませてみたいと歌手を夢見るようになりました」
小学校では合唱部に入って歌と向き合う一方、ピアノで作曲した楽曲を友人や先生にお披露目することもあったとか。中学に進学しても音楽に対する熱量は全く変わらず、自作の曲を授業で発表するなどシンガーソングライターとしての原体験を積み重ねていった。
「高校生になってからは声楽の授業を取るようになりました。曲作りも続けていましたが、今聞き返すとあまりにヘンなので、昔作ったものを下敷きにした作品はありません(笑)。え? バイトですか? 実は学校がバイト禁止だったのでチャレンジ出来なかったんです」
chayさんは大学進学とほぼ同時に音楽活動を本格化。絶対に歌手になるという意気込みでシンガーとしてのオーディションをいくつも受けた。

カフェでのバイトぶりは、「とんでもなかった」!?

chayさんのオーディション結果は、残念ながら軒並み落選。審査員は必ずといって良いほど「想像していた声と違う」という感想を漏らした。優しい印象の顔立ちと、低音もしっかりと歌い上げられる歌声の間に悪い意味でのギャップを持たれたのだ。
「最初のうちは落選の度に傷ついていましたが、そんなに指摘されるなら、逆に声が強みになるんじゃないかって考えるようになったんです。加えて、自分のイメージとかけ離れている楽器を手にすればさらにインパクトも大きくなるだろうと思って、19歳のころにギターも弾くようになりました」
とはいえ、ギターを始めるにはやや遅く、chayさんはライバルとの差を埋めようと音楽塾に通い、1日6〜8時間、多い時には1週間通してギターを習った。夜遅くに帰宅してからは自室でコードを研究していたというから、まさに音楽漬けの毎日。バイトをする暇もなかったのでは…と口をつきかけたところ、chayさんは「このころに、初めてのバイトを経験しました。カフェのホールスタッフを選んだんですが、仕事ぶりはとんでもなかったかも…」と苦笑した。
「食器を割ったり、お水をこぼしてしまったり。失敗を挙げると限りないですし、よく叱られましたが、私は負けず嫌いな一面もあって簡単に辞めるのはイヤだったんです。なので、1年半ほど働きました」
実は、chayさんが初めて買ったギターはバイト代を貯めて手に入れたもの。音楽塾の先生はスパルタで、初心者には不可能と思えるほど難易度の高いフレーズでも翌日までに覚えるよう宿題を出されたことから、そのギターで練習に練習を重ねた。
「指は豆だらけになって痛いし、出来なくて泣きそうになりました。だけど、何百回も弾いているうちに、不思議と音が出せるようになる時が訪れるんです。壁を乗り越えた先にある大きな達成感を初めて味わった気がします。その素敵な感覚を歌詞に書いたのが『nineteen』という曲です」
バイト代で手にしたギターを必死にかき鳴らした経験。それが、シンガーソングライターとなった今の自分を形作ったのだと語気を強めた。

自分が打ち込めることをバイトで見つけるのもアリ

chayさんの大学時代は音楽にまい進していたことからキャンパスで過ごす時間は短く、学内には友達がほとんどいなかったそうだ。
「当時はいわゆる大学生らしいことって何も出来なかったです。だけど、バイト先には同年代の仲間が多かったので皆でワイワイしゃべったり、たまに遊びに出掛けたり、まるでキャンパスライフの代わりみたいでした」
職場には音楽のプロを目指す同僚もいて、励まし合いながら切磋琢磨したことも。仲良くなった常連の中には路上ライブを見に来てくれた人もいて、「あの時はうれしかったなぁ」と懐かしそうに振り返った。カフェのスタッフは総じて音楽活動を応援してくれ、メジャーデビューした今でも連絡を取り合っているとか。約1年半働いた中で仲間との絆が深まり、目上の人への礼儀やコミュニケーション能力も深められたと目を輝かせる。
「将来を迷っている時、バイトをやってみると、例えばコーヒーを淹れるのが面白いとか、人と接しているとあっという間に時間が経つとか、自分の打ち込めることに初めて気付くケースもあるはず。だから、未来につながる“楽しい”のサインをバイトで見つけるのもアリなんじゃないかなと思います」

★chayさんの思い出バイト★

カフェ
失敗ばかりしていたけれど、バイトを続けることで打たれ強さが身に付きました。路上ライブと同じくらいあきらめないことの大切さを学べたかも。

<プロフィール>
chay

1990年、東京都出身。幼少時から歌手を目指し、小学生のころからピアノで曲を作り始める。大学に入学すると同時にギターを始め、路上ライブなどを重ねて本格的に音楽活動をスタート。2012年10月、「はじめての気持ち」でCDデビュー。2013年10月から2014年3月までフジテレビ系「テラスハウス」にレギュラー出演し話題に。2014年5月から雑誌「CanCam」の専属モデルとしても活動。歌声とキュートな容姿のギャップが魅力。

<インフォメーション>

●最新リリース情報
「chayTEA」
■初回生産限定盤(CD+DVD)
 WPZL-31310/11 3,500円(税抜)
■通常盤(CD)
 WPCL-12645 3,000円(税抜)

バイトがあって今がある

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