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バイトがあって今がある SUPER BEAVER Vo. 渋谷 龍太さん

2018年7月30日 公開

あの時間を一緒に生きて語り合った思い出は
今も自分の大切な糧。

SUPER BEAVER Vo. 渋谷 龍太さん
4月の日本武道館ライブでは発売当日にチケット即完売。時に紆余曲折を経ながらも、力強く前へ前へと進む4人組バンド「SUPER BEAVER(スーパービーバー)」ボーカルの渋谷龍太さんに、アルバイト体験を尋ねた。

焦げたタコ焼きを持ち帰った初バイト

ヘアスタイルにも服装にも、揺らぎないポリシーを感じさせる出で立ちの渋谷さん。インタビューではどんな質問に対しても、まずは自分の中で言葉をたぐって確認してから答えるかのような、丁寧な受け答えが印象的だ。
渋谷さんの出身は東京都。初めてのアルバイトは高校2年生の時で、タコ焼き屋さんで働いたそう。当時はまだ音楽は始めてはいなかったがCDやレコード、本などを集めたり、友だちと遊ぶお金が欲しかったのが理由だった。人生初出勤の日はメチャクチャ緊張したと言い「タコ焼きの下半分を真っ黒に焦がしたりはしましたが、怒られはしませんでしたね。持って帰って食べるように言われました。焦げててもおいしかったです」と振り返る。
このアルバイトを通じて、渋谷さんは自分の行動とお金の価値とをダイレクトに換算して考えるようになったそう。
「何か欲しいものがあった時も『これを買うためには○時間働かなければいけない。果たしてそれに見合う価値があるのだろうか』って、ふと立ち止まって考えるようになりました」
その後、渋谷さんが経験したのはモニターのアルバイト。指定された商品を使ったり座談会に出席することで謝礼をもらい「正直、何でこんなことでお金をもらえるのかな?と疑問に思いながらやってました(笑)。労働の対価という気が全くしなくて…」。世の中にはいろいろな仕事があるんだなぁと学びました、と笑いながら話してくれた。

明確な目的がないまま調理師学校に進学

そんな渋谷さんが音楽を始めたのは高校3年生の時。同じ高校に通っていた上杉研太さんに「バンドを組まないか」と誘われてボーカルを引き受け、結成したのがSUPER BEAVERだ。とはいえ、当時の渋谷さんにはまだ「これ」といった将来の進路は定まってはおらず、高校卒業後は調理師学校へ進学することを選んだ。
「父が調理師だった影響もあるけど、特に思いっきり興味を持てるものがまだ具体的にはなかったんですよね。明確な将来像を描けず、ただふわっとしていたと思います、あのころの僕は」
忙しい学校生活の合間を縫ってSUPER BEAVERとしての活動を続けていた渋谷さんたち。学校の勉強に音楽にと、アルバイトをする間もなく毎日を過ごすうちに、音楽事務所の目にとまってプロの道への話を持ちかけられ、ほどなくインディーズデビュー。その2年後にはメジャーデビューを果たした。

生きるためのバイトで得た大切な仲間たち

順風満帆かと思われた音楽活動のスタート。けれどその後、渋谷さんたちは事情があって事務所を離れることに。事務所から支払われていた収入がなくなって、当時はアパートを借りて一人暮らしだった渋谷さんは、生まれて初めて「お小遣いではなく、生きるためのアルバイト」を体験することになる。
「自分でシフトを決められる居酒屋で働きました。稼がないと住めない、食べられない。生きていくために必要ないろんなことができないわけでしょう。過酷でしたね。事務所を離れて自分たちで音楽活動をしていたから、大阪でライブをして車を運転して帰ってきて、1時間後にはアルバイト。そんな生活で、体力的にはものすごくキツかったですよ」
だが、メジャー時代に事務所やマネージャーなど常に誰かを介して人と接することに慣れ、決められたスケジュールで動くことを求められて、音楽の楽しさを見失っていたという渋谷さんにとって、この時期は人生の転機とも言える貴重な時期だった。メジャーを外れて失意の底にあった時に多くの人に助けられ、自分たちの意志で好きな音楽を続ける楽しさを改めて思い出した。「音楽を一生の仕事にしよう」と決意したのもこの時期だったと教えてくれた。結局、居酒屋でのアルバイトを続けたのは5年間。「そろそろ音楽だけで生きていけるのではないか」と思えるようになって退職を決意したころには、144席あったホールの仕切りからドリンク作り、デシャップ(キッチンとホールのつなぎ役)、発注まで、店のすべてのポジションをこなせるようになっていたそうだ。
居酒屋での同僚は学生やフリーターなどさまざまで、その中にはお笑い芸人志望や役者、ミュージシャン志望など、渋谷さん同様〝夢〟を追いかける人が何人もいたという。
「今では夢をあきらめてしまった仲間も多いですが…。それでもあの時間を一緒に生きて、語り合って。生まれて初めて酒を飲んで、吐いてしまった日のことも忘れられない。あの時間がなかったら今の僕はなかったと思うんです。今でもみんなライブに来てくれるんですよ。アルバイト自体は年を取ってからでもできると思うけれど、仲間とバカなことやって一緒に遊ぶ経験なんて、若い時しかできないですからね。アルバイトを続ける毎日に『このままいつまでたっても音楽で食べていけるようにはならないんじゃないか』とシビアに悩んだことも、今の自分には大切な糧。何よりもあのころにアルバイトをして、良い仲間たちに出会えたことは自分にとって幸運だったと思います」
遊ぶことでも恋愛でも何でも、その時々で〝今〟やれることを大切に力を尽くしてほしいな、と渋谷さんはインタビューを締めくくった。

渋谷 龍太さんの思い出バイト

タコ焼き屋
コワイ先輩もいなくて楽しかったけれど、タコ焼きをまん丸に焼くのはなかなかに難しいと知りました。
モニター
当時高校生だった自分には「どうして座談会に出るだけでお金がもらえるんだろう?」と不思議でした…。
居酒屋
生活のために働いたアルバイト。この時に初めて、地に足の着いた金銭感覚を身に付けられたと思います。

プロフィール

SUPER BEAVER
高校の先輩・後輩である渋谷龍太(Vo.)・上杉研太(B.)・柳沢亮太(G.)に、柳沢の幼馴染みである藤原広明(D.)を加え、2005年に結成。全員東京都出身。今年4月には日本武道館でワンマンライブを成功させたほか、6月にはニューアルバム「歓声前夜」をリリース。ちなみにバンド結成後「東京以外で最初にライブを行った場所」は札幌で、渋谷さんは大のスープカレー好き。
オフィシャルサイト http://super-beaver.com/

インフォメーション

●最新リリース情報
「歓声前夜」
■初回限定生産盤(CD+LIVE CD)/NOID-0026 3,564円(税込)
■通常盤(CD)/NOID-0027 2,970円(税込)
●ライブ情報
SUPER BEAVER
「歓声前夜」Release Tour 2018 〜初めての、ラクダ運転〜
9/21(金)ペニーレーン24
開場/18:30 開演/19:00
お問い合わせ/WESS TEL 011-614-9999

サイン入りチェキプレゼント

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プレゼントの応募は締め切りました

バイトがあって今がある

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